※保険会社の常時使用の運用について、追記しています(2024年9月9日)
東京海上日動の自動車保険も含め、国内保険会社でで取り扱われている多くの自動車保険には、「他車運転危険担保特約」という特約が自動付帯されています。
この特約は、「他の自動車※1」を記名被保険者等が、自ら運転者として運転中(駐車又は停車中を除きます)の事故によって生じた賠償責任(対人・対物)、人身傷害(人身傷害保険が付保されている場合)、車両損害(車両保険が付保されている場合)等をご契約内容に応じて補償します。
最近は新型コロナウィルスやウクライナ情勢の影響などによる半導体不足によって、新車を購入する際に3ヶ月以上、場合によっては1年以上待たないといけないケースや、故障や鈑金で修理する際にも、部品が入ってこない為、何ヶ月も車が戻ってこないケースもあるようです。
その際、ディーラーや修理工場から貸し出される「代車」について、比較的短期間の貸出であれば、ご自身でご加入の自動車保険の「他車運転危険担保特約」によって対応することが可能であると思われますが、長期間の貸し出しになると、「常時使用」となり「他車運転危険担保特約」が適用できない可能性がでてきます。
では、何日間であれば対象となり、何日を超えると対象とならないかということに関しては、保険会社も明確に教えてくれません。実際に事故が起こった際に、当該他の自動車の「使用期間」・「使用目的」・「使用頻度」・「使用についての裁量権の有無」等に照らして総合的に判断されます。
過去の判例では、3ヶ月間通勤に使っていた場合に否認されたケース、事故時までの20日間に200km以上走行していて否認されたケース、返還期間を定めずに借用し通勤に使用していて否認されたケースなどもあります。(ただし、判例を読む限りでは、上記の常時使用が争われる点もありますが、それ以上に他車運転危険担保特約を悪用している点も否認の要因となっている部分もあります)
代車の使用が長期間に及び、他車運転危険担保特約が使えない思われる場合には、ディーラーや修理工場にてその代車に保険をかけていただく必要がありますので、代車を借りる際には、借用期間や代車の任意保険の有無を十分ご確認ください。
※2024年9月9日追記
昨今の状況を鑑み、代車の借用期間が「新車の納車まで」などと明確に決まっている場合には「常時使用」には該当せず、他車運転の対象とする運用になっている保険会社もありますので、このような状況の場合には、保険会社にご確認ください。
ただし、保険契約上の車両が既に無いもしくは車検が切れている状況にあって、そのまま当該保険契約の満期を迎えてしまった場合、車両が無いもしくは車検が切れている車両のままで当該保険契約を更新することができません(架空契約となる、または車検を受ける予定の無い車検切れの車両に保険をかけることができない為)。その場合には、やはりディーラーや修理工場にその代車に対して保険をかけていただくか、ご自身で当該代車を被保険車両とする自動車保険(新規契約)にご加入いただく必要がございます。