東京海上日動の自動車保険も含め、国内保険会社でで取り扱われている多くの自動車保険には、「他車運転危険担保特約」という特約が自動付帯されています。

この特約は、「他の自動車※1」を記名被保険者等が、自ら運転者として運転中(駐車又は停車中を除きます)の事故によって生じた賠償責任(対人・対物)、人身傷害(人身傷害保険が付保されている場合)、車両損害(車両保険が付保されている場合)等をご契約内容に応じて補償します。

※1他の自動車の定義

以下に該当する自動車をいいます。
ただし、記名被保険者、その配偶者、記名被保険者またはその配偶者の同居の親族が所有または常時使用する自動車を除きます

  1. ご契約のお車以外の自動車であること
  2. 用途・車種が自家用8車種または販売用自動車のうち保険会社が定めたものであること。

最近は新型コロナウィルスやウクライナ情勢の影響などによる半導体不足によって、新車を購入する際に3ヶ月以上、場合によっては1年以上待たないといけないケースや、故障や鈑金で修理する際にも、部品が入ってこない為、何ヶ月も車が戻ってこないケースもあるようです。

その際、ディーラーや修理工場から貸し出される「代車」について、比較的短期間の貸出であれば、ご自身でご加入の自動車保険の「他車運転危険担保特約」によって対応することが可能であると思われますが、長期間の貸し出しになると、「常時使用」となり「他車運転危険担保特約」が適用できない可能性がでてきます。

では、何日間であれば対象となり、何日を超えると対象とならないかということに関しては、保険会社も明確に教えてくれません。実際に事故が起こった際に、当該他の自動車の「使用期間」・「使用目的」・「使用頻度」・「使用についての裁量権の有無」等に照らして総合的に判断されます。

過去の判例では、3ヶ月間通勤に使っていた場合に否認されたケース、事故時までの20日間に200km以上走行していて否認されたケース、返還期間を定めずに借用し通勤に使用していて否認されたケースなどもあります。(ただし、判例を読む限りでは、上記の常時使用が争われる点もありますが、それ以上に他車運転危険担保特約を悪用している点も否認の要因となっている部分もあります)

代車の使用が長期間に及び、他車運転危険担保特約が使えない思われる場合には、ディーラーや修理工場にてその代車に保険をかけていただく必要がありますので、代車を借りる際には、借用期間や代車の任意保険の有無を十分ご確認ください。