最近、鹿やイノシシなどの野生動物と自動車との衝突事故が増えています。

野生動物との衝突は、山道や山間部だけで起こるものではありません。道路脇や建物の陰、ガードレールの向こう側など、思いもよらない場所から突然飛び出してくることがあります。また、道路脇で何事もないように草を食べている鹿を見かけることもあります。

「道路には出てこないだろう」「こちらに気づいているだろう」といった思い込みは禁物です。野生動物は人間の予測どおりには動きません。いつ、どこから飛び出してくるか分からないという意識を持ち、日頃から十分に注意して運転することが大切です。

鹿・イノシシにご注意ください

野生動物との衝突を防ぐために気をつけたいこと

道路脇に動物がいないか、常に注意する

鹿やイノシシは、道路脇で草を食べていたり、じっと立っていたりすることがあります。その場で動いていなくても、車が近づいた瞬間に道路へ飛び出してくる可能性があります。道路脇に動物を見かけたら、十分に速度を落とし、いつ飛び出してきても対応できるようにしましょう。

ガードレールの向こう側にも注意する

鹿などは、ガードレールを飛び越えて道路に侵入してくることがあります。ガードレールが設置されているからといって、動物が道路に入ってこないとは限りません。特に山林に隣接した道路では、ガードレールの向こう側にも注意を払いましょう。

建物や植え込みの陰からの飛び出しに注意する

野生動物との衝突は、山間部だけで起こるわけではありません。民家や建物の脇、植え込みなど、見通しの悪い場所から突然飛び出してくることもあります。見通しの悪い場所では速度を落とし、死角からの飛び出しを想定した運転を心がけましょう。

1頭見かけたら、ほかにもいると考える

鹿は群れで行動することがあり、1頭が道路を横断した後に、続けて別の個体が飛び出してくることがあります。1頭が通過したからといって、すぐにその場所を通り過ぎるのは危険です。ほかにも動物がいないか、周囲を十分に確認してから走行しましょう。

動物を見つけても、急ハンドルは避ける

突然の飛び出しに驚き、反射的にハンドルを切ってしまうと、対向車との衝突や道路からの転落など、さらに重大な事故につながる危険があります。動物との衝突を避けることも大切ですが、何より優先すべきなのは、ご自身や同乗者の安全です。無理な急ハンドルは避け、周囲の状況を確認しながら、ブレーキによる減速・停止を基本に落ち着いて対応しましょう。

もしも、衝突してしまったら

野生動物との衝突が起きてしまった場合は、慌てず、次の対応を心がけましょう。

まず安全を確保する

衝突後、すぐに車外に出るのは危険です。周囲の交通状況を確認し、後続車に追突されないようハザードランプを点灯させましょう。可能であれば、車両を道路脇など安全な場所に移動させます。同乗者にけががないかも確認してください。

動物に近づかない

衝突した動物がまだ生きている場合、鹿やイノシシは非常に危険です。特にイノシシは攻撃してくることがあります。むやみに近づかず、車内から様子を確認する程度にとどめましょう。

警察に連絡する

野生動物との衝突でも、道路上で起きた事故として警察への届け出が必要です。後で保険を請求する際にも、警察への届出が求められる場合がありますので、必ず連絡してください。

保険会社に連絡する

車両の損傷状況や事故の経緯を、加入している保険会社に早めに連絡しましょう。写真(車両の損傷箇所、衝突場所、動物の状況など)を撮っておくと、手続きがスムーズになります。

無理に運転を続けない

車両に大きな損傷がある場合や、自分自身に動揺・けががある場合は、無理に運転を続けず、ロードサービスやレッカーの手配を検討してください。

衝突後の対応を落ち着いて行うことで、二次被害を防ぎ、その後の手続きもスムーズに進められます。万一の際に備えて、日頃から加入している自動車保険の補償内容を確認しておくことも大切です。

自動車保険の車両保険での補償について

野生動物との衝突による車両の損傷は、車両保険の補償対象となる場合があります。

弊社が取り扱っている東京海上日動では、2021年4月1日以降は車両保険※に加入していれば、一般条件・エコノミー車両保険のいずれの場合でも、鹿やイノシシなどの野生動物との衝突による損害が補償の対象となります。(※限定Aのみの車両保険の場合は対象になりません。)

ただし、他の保険会社では取扱いが異なる場合があります。ご加入の保険会社によって補償の範囲が異なりますので、事故が起きた際は、必ずご自身が加入している保険会社に確認するようにしてください。

また、補償の対象となる場合でも、免責金額(自己負担額)の設定がある場合は、その金額を超える損害について保険金が支払われます。詳細は保険証券や約款をご確認ください。

車両保険に入っていない、加入している保険会社の車両保険では対象にならないケースでも、走行不能時のロードサービスは対象になるケースが多いです。対象になる、ならないにかかわらず、まずはご加入の保険会社に相談されることをお勧めいたします。

最後に

野生動物との衝突事故は、決して山道だけの問題ではありません。道路脇で草を食べている鹿、ガードレールの向こう側にいる動物、建物の陰に潜んでいるイノシシなど、普段何気なく走っている道路にも危険は潜んでいます。

大切なのは、「動物がいるかもしれない」という意識を持ち、いつ飛び出してきても対応できるよう備えておくことです。少し速度を落とす、道路脇にも目を配る、死角を警戒する。こうした日頃の小さな心がけが、重大な事故を防ぐことにつながります。

皆さまも日頃の運転を今一度見直し、安全運転を心がけていただきますようお願いいたします。