妨害運転(あおり運転)に対する罰則の創設等
東名高速道路や常磐道などで発生した悲惨な交通死亡事故等が発生し、「あおり運転」が社会問題化しました。これまでも、「あおり運転」により実際に他人を死傷させた場合には、一定の要件を満たす場合に限り危険運転致死傷罪が適用され、重い処罰の対象とされていました。しかし、実際に他人を死傷させる結果が生じない限り、あおり運転行為自体を処罰の対象とすることはできませんでした。
これらの理由から道路交通法は一部改正され、実際に死傷の結果が生じなかったケースであっても、あおり運転行為をしたこと自体が「妨害運転罪」として処罰の対象となりました。
妨害運転(あおり運転)
妨害運転(あおり運転)をした場合 (交通の危険のおそれ) | 罰則 | 違反点数 | 行政処分 |
他の車両等の通行を妨害する目的で、一定の違反行為であって、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした場合 | 3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金 | 25点 | 免許の取り消し (欠格期間2年) |
妨害運転(あおり運転)により 著しい交通の危険を生じさせた場合 | 罰則 | 違反点数 | 行政処分 |
上記の罪を犯し、よって高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた場合 | 5年以下の懲役 または 100万円以下の罰金 | 35点 | 免許の取り消し (欠格期間3年) |
あおり運転の10類型
- 通行区分違反
- 急ブレーキ禁止違反
- 車間距離の不保持
- 進路変更禁止違反
- 追い越し違反
- 車両等の灯火違反(減光等)
- 警音器使用制限違反
- 安全運転義務違反
- 最低速度違反(高速自動車国道)
- 高速自動車国道等における駐停車違反
自転車の「あおり運転」を危険行為として規定
他の車両を妨害する目的で執拗にベルを鳴らす、不必要な急ブレーキをかけるなど、自転車の「あおり運転」を危険な違反行為と規定し、3年間に2回違反した14歳以上の者は「自転車運転者講習」の受講が義務づけられます。
自転車にも適用されるあおり運転の7類型
- 通行区分違反
- 急ブレーキ禁止違反
- 車間距離の不保持
- 進路変更禁止違反
- 追い越し違反
- 警音器使用制限違反
- 安全運転義務違反